2015年10月23日

ロータリーと私 4(柳生好春)

ガバナー月信10月号から転載します。
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 2010年の7月からRIは戦略計画を発表、実施しました。これに先立ちアメリカや日本などの先進国での会員減少に危機感をもったRIは、1万4千名のロータリアンのアンケート調査を世界規模で行いました。その結果まとめられたのが、この戦略計画です。以来、定期的にその戦略計画について数万人規模のロータリアンの意識調査を行い90%を超える高い支持を得ています。以前に日本では長期計画と訳されていましたが先月号で指摘したようにRIを始めとするロータリーの機能体的組織への変容に伴い文字通り「戦略計画」と訳されるようになったと推測できます。

 ロータリーの共同体的な面を重く見る人々はこの戦略という言葉に違和感を持つようです。ロータリー財団の「未来の夢計画」の実施で地区の裁量権が拡大して利用しやすくなる一方、計画、実行、検証、成果、継続性などが求められるのも必然の帰結です。多くのロータリアンの寄付を財源とするからには責任ある対応が求められます。ロータリークラブは寄付を集めれば良く、後はRIが有効に使ってくれるだろう、というようなことでは、もう立ち行かなくなってきたのです。あくまでも当事者意識をもつ奉仕活動が求められています。

 戦略計画の三本柱は@クラブのサポートと強化A奉仕活動の重点化と増加B公共イメージと認知度の向上となっています。
@は正にクラブを活性化、強化するもので、会員減少に苦しんでいるクラブは会員増強に注力し、マンネリに陥っているクラブは卓話の充実など、例会の見直しが必要です。例会の充実が会員の満足度を上げ退会を防ぎ会員増強に繋がると確信しています。5月の地区研修・協議会の新会員の部会では例会に出席することの意義が先輩ロータリアンから強調されました。クラブの革新性・刷新性が問われます。

 Aはクラブの強みを活かした奉仕活動を推進することでロータリアンに矜恃が生まれ、クラブが活性化します。@に繋がるものです。@の充実がAを促進し、Aの実行が@をもたらします。ロータリーは奉仕団体と定義づけられている現在、本質的な活動であり、「他人を思いやり、他人のために尽くす」Service above selfの実践です。重点化と増加とありますが、戦略ですから重点化が特に重要だと考えます。BはAの奉仕活動の重点化と増加が充実して始めて効果を発揮します。こう考えていくと3つの項目はそれぞれ関連しあい、一体として機能すると言えます。


柳生好春


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2015年10月22日

ロータリーと私 3(柳生好春)

ガバナー月信 9月号から転載します。
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 2012-2013年の中尾年度に地区の会員拡大増強委員会の委員長を拝命しました。前年度の副委員長からの継続でした。それまでの会員減少に歯止めをかけるべく苦心しましたが余り成果が出たとは思えませんでした。ただ、前年比較において、下げ止まった感がありました。会員減少を景気の停滞に帰する意見が従来からありましたが、私はロータリーという団体そのものに原因があると考えていました。アベノミクスで株価が高騰してもロータリアンの数は減ってはいませんが微増に留まっています。これは2610地区に限らず全国的な傾向です。

 ロータリアンの大多数は中小企業の経営者並びに専門家です。ビジネスが上手くいかなくては、奉仕も何もあったものではありません。経営不振からロータリーを去った人も少なくないはずです。私が職業奉仕を重視する理由はここにあります。穿った見方かもしれませんが、RI会長を始めとする国際ロータリーの役員は全てビジネスの世界で功なり名を遂げた大成功者です。そういう人達が社会奉仕、国際奉仕を強調するのは、ある意味必然であり必要なことです。しかし残念ながら大多数の中小企業者との間に多少の意識のギャップを感じざるを得ません。

 「最も良く奉仕する者、最も多く報いられる」、周知のように、アーサー・フレデリック・シェルドンの言葉です。この言葉は既に1902年発行の彼のビジネススクールのテキストに掲載されていたようです。まさにシェルドンがロータリーに持ち込んだ理念です。顧客に対してサービスを尽くすことでファンをつくり、リピーターをつくり、企業の永続的繁栄を築くことが、彼がもたらした職業奉仕の真の姿なのです。これは、まさにピーター・ドラッカーの「企業の目的は顧客の創造である」に繋がる考え方で、決して色あせたものではないのです。

 ロータリーの「職業奉仕」とは「サービスとは何か」ということを、とことん追求する姿勢を指すと考えています。そうすることで顧客から真の信頼を得ることができます。もちろん、ビジネスにおいて、噓、偽りがあってはなりません。「四つのテスト」の一つ目の言葉です。とかく職業奉仕というと倫理・道徳と言われますが、それは顧客から信頼を得る上で不可欠でありますが、それ自体職業奉仕の目的ではないのです。目的と手段の混同があってはなりません。ロータリーは多様な職業人の集まりです。言わば生きた教材の宝庫であり、学びの機会に満ち溢れています。

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同期ガバナー達と(国際協議会にて)
posted by 国際ロータリー第2610地区 at 18:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロータリーと私 2(柳生好春)

ガバナー月信8月号の記事を転載します。
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田中作次夫妻と(国際協議会にて)
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 2007ー2008年の久保年度に石川第1分区Bのガバナー補佐を拝命しました。その当時のRIの重要方針にクラブ・リーダーシップ・プラン(CLP)がありました。これはクラブの実状に合わせてクラブの委員会数を絞り効果的なクラブをつくることが狙いでした。ロータリーの単年度主義の弊害も注目され3年位の期間で奉仕プロジェクトを立案、実行することが推奨されたのです。同時にクラブおよびクラブの枠を超えたリーダーの育成も強調されました。私はガバナー補佐のクラブ訪問のテーマをこのCLPと定めてネット情報などを活用して急いで勉強したものです。

 野々市ロータリークラブは地区内でもCLPの導入が早い方でした。このCLPについては当初から誤解もあったようです。伝統的な四大奉仕を1つの奉仕プロジェクトに集約したため特に日本のロータリアンから「職業奉仕」を軽視するもとして批判される向きもありました。あくまでCLPは特定の委員会構成を強制するものでなく、クラブの実状、特徴を活かして自由にクラブの判断で決めて良いとするものでした。試行錯誤の結果クラブ細則を毎年でも変えてください、という現在の戦略計画の柔軟性、刷新性に繋がる思考のパラダイムの提供であったのです。

 ロータリーの定款に四大奉仕が明確に唱ってあり、いささかも軽んずるものではないのです。CLPは優れて戦略的な発想から生まれたものと思われます。絞る、継続する、リーダーの育成など企業戦略に通じる考え方です。実は私はガバナー補佐の時期、経営的に大変きびしい状態にありました。銀行返済が滞り社員の給料の支払いにも窮する有様で本来ならロータリーどころではなかったのですが、このCLPの考え方から大いに示唆を受け自社の改革に着手しました。ロータリーは奉仕団体であり企業経営とは一線を画しますが、私には経営資源の宝庫でした。

 昨今のロータリーは創成期の共同体的な組織から急速に企業なみの機能体的組織に変貌しています。それは巨大なロータリー財団の活動などに端的に現れています。資金を投資、投入するからには明確な成果が求められる、当たり前と言えば当たり前ですが、構成員の楽しさや、居心地の良さが目的の共同体的なものからは離れつつあります。特にここ最近はロータリー・コーディネーターのような国際ロータリーから任命された人達に対するKPIの適用など、要求水準も高くなる一方で、つい先日も1時間のミーティングの後、日帰りされた方もいました。 ( つづく)

柳生好春
posted by 国際ロータリー第2610地区 at 17:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする